2009年 06月 08日
そういえば映画でもみてみよう 石井輝男/江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」は、劇場で公開した後、その非道すぎる内容ゆえにビデオ化されず、未知の映画となっていたのだが、米国でアジアン・カルトムービーの一環としてDVD発売された。したがってボクらはそれを今見ることができる。石井輝男はこの映画を愛し、そしてこの闇鍋的な映画の手法に自信を持っていたのだと思う。
ボクがこの映画をさがしていたのは、実は、土方巽(ひじかた・たつみ)を見てみたかったことが大きい。つまり江戸川乱歩の映画化にもさして興味がなかったし、カルト映画に興味があったわけでもなかった。でも、実際これを見たら、石井輝男世界のトンデモさに魅入られしまって、土方巽もごくごく小さく見えたから不思議だ。
今の日本社会は、蒸留水で養殖されたニンゲンばかりになってしまった。そしてその反面(というか地続きで)、酔って裸になりちょっと騒いだだけで官憲に身柄拘束され、家宅捜索までされてしまう仕組みに、唯々諾々としている。正体不明の何者かに支配されることに、激しくいかる心性が抜け落ちてしまったのだ。・・・と、まあ映画はヘンでも、意外と普通の感想に達したのだった、のであった。
小池朝雄、高英男の怪演もすごい。上田吉二郎の藪医者、待ってました!。そのほか役名のない、名も知れぬ、衣装もない^^女優さんたちにとても感謝。 そしてロケ現場の能登の旧家、この屋敷がほんとうの主役かも知れんね。
「網走番外地」から「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の間のみの映画は以下の通り。誰もが論じやすい、つげ義春とか、盲獣VS一寸法師にはふれたくないが・・・後日ふれるかも知れない。
(暦年資料はWikiたんにサンクス!)
網走番外地 (1965.04.18、東映東京)
続 網走番外地 (1965.07.10、東映東京)
網走番外地 望郷篇 (1965.10.31、東映東京)
網走番外地 北海篇 (1965.12.31、東映東京)
日本ゼロ地帯 夜を狙え (1966.03.05、松竹大船)
網走番外地 荒野の対決 (1966.04.23、東映東京)
大悪党作戦 (1966.07.09、松竹大船)
網走番外地 南国の対決 (1966.08.13、東映東京)
神火101 殺しの用心棒 (1966.12.23、松竹大船)
網走番外地 大雪原の対決 (1966.12.30、東映東京)
網走番外地 決斗零下30度 (1967.04.20、東映東京)
決着 (1967.05.20、東映東京)
網走番外地 悪への挑戦 (1967.08.12、東映東京)
網走番外地 吹雪の斗争 (1967.12.23、東映東京)
続決着 (1968.03.30、東映東京)
徳川女系図 (1968.05.01、東映京都)
温泉あんま芸者 (1968.06.28、東映京都)
徳川女刑罰史 (1968.09.28、東映京都)
残酷・異常・虐待物語 元禄女系図 (1969.01.09、東映京都)
異常性愛記録 ハレンチ (1969.02.21、東映京都)
昇り竜鉄火肌 (1969.03.29、日活)
徳川いれずみ師 責め地獄 (1969.05.02、東映京都)
やくざ刑罰史 私刑(リンチ)! (1969.06.27、東映京都)
明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史 (1969.08.27、東映京都)
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 (1969.10.31、東映京都)
↓ 日本版ポスターです。左側の男が、近藤正臣ということで有名です?
面白そうだ(笑)
高校生の時に知ってたら、かぶりついて観たに違いない!
でも成人映画とか書いてあるしwwwww
懐かしさたっぷりなのもよけいエロいねww
TVでやって欲しいところだw
小池朝雄って俳優だったんだ。
コロンボは彼じゃないと雰囲気出ないのに!
ピーター・フォークの声は全然違うけど!w
ニンゲンを外科的に作り変えてしまうというテーマは、そりゃいくらなんでも、という意味で封印されてしまったのですね。
小池朝雄のピーター・フォークはユカシイデス。
その音源がなくなっちゃった、というのも凄い話。
モロー博士の島って、要するに進化論をバックに、マッドサイエンティストが進化論に基づく理論を悪用したら、こうなる、っていう、まあSFですよね。・・・でもこの映画は、そういう要素はぜんぜんなくて、ひたすら外科的に人体を改造して、おのれの欲望を満たそうってわけだから・・・。