ここは撮影地イタリアに尊敬の念を示し、オペラ座のヴェルディしかない。タルコフスキーがなぜこの映画にヴェルディのレクィエムを採用したのかはよくわからないが、この圧倒的なイタリアというものから逃れることはできない。ボクはこの映画を見て最初ちょっとショックだったのは、あまりに“西欧的”になってしまったことだ。
イタリアの都市をめぐって、彼は終末へと導かれていく。彼のそばには“狂人”の残していった犬しかいない。タルコフスキーは「ノスタルジアとは何か」と問われて「郷愁というようなものではない」という異様な答えをしている。・・・