「惑星ソラリス」<LD>(タルコフスキー15)

このソラリスはボクの一番好きなタルコフスキー映画であって、かつタルコフスキーが一番嫌いらしい自分の映画と言うべきか。妻を演じるナタリア・ボンダルチュクの父は、あの巨編「戦争と平和」を撮ったセルゲイ・ボンダルチュク監督であり、後にカンヌ映画祭などでタルコフスキーを攻撃する側となる。

当初、女優の役(妻ハリー)はスウェーデンのベルイマンの映画に出ているビビ・アンデションを想定していたのだが、外国人ゆえうまくゆかず曲折のうえナタリア・ボンダルチェクに決まった。タルコフスキーは満足していたはずだが、後になると批判的に“演技過剰”と書いている。でもボクはナタリアが好きだ。彼女なしにはこの映画は成立しない。

タルコフスキーはこの映画より次に撮るべき「白い日」について、日記に熱心に書き込んでいる。「白い日」は改題されて「鏡」となった。「惑星ソラリス」には「ソラリスの星のもとで」という先行するSF小説の原作があるわけで、タルコフスキーとしてはおもしろくなかったのだろう。

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Tracked from シネマ・ワンダーランド at 2006-07-10 02:13
タイトル : 「惑星ソラリス」
ロシア(旧ソ連)の映像詩人、アンドレイ・タルコフスキー監督が1972年に撮った哲学的SF映画の傑作「惑星ソラリス」(ソ連、165分、原作=スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」)。この映画は、人類と知的生命体であるソラリスの海とのコンタクトを巧みに描き出し、宇宙とは、人間とは何かを壮大に追求している。72年のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した。... more
by kugayama2005 | 2005-12-21 02:18 | ■映画の楽しみ | Trackback(1) | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005