夢千夜一夜【第293夜】 EOS 5DS R/Apo-Makro-Planar T* 4/120

【第293夜】

地震だ。あまり揺れていないように思えるが、窓から見える建設中のビルは、真っ二つに折れている。

自宅のある高層マンションのエレベーターで、降りる。エレベーターの中で、誰だか思い出せない親戚に会う。

地面に降り立つと高層マンションは、ライトアップした東京タワーのように、金色に輝いてそびえている。

ところがしばらくすると、根本からぱったりと倒れてしまった。さてこうなると部屋の価値などはどうなるのだろうか、などと考える。

まだ他の建物が倒れる可能性があるので、逃げる。街の一部から火災が発生しているようだ。そのため火砕流のような流れが、まっすぐに向かってきている。

数人の人が川の堤防を、下流の方へ逃げていく。自転車で逃げている人もいる。さらに数カ所から火砕流が迫ってくる。

しばらく行くと急な崖になるが、堤防上の細い通路を渡って平地に出る。置き去りにされた飼い犬が、とぼとぼと歩いている。

エレベーターで一緒になった親戚は生きているだろうか。ここまで逃げて来なければ火砕流で焼かれていたに違いない。

そうしているうちに、次は水が流れてきた。ずいぶん黒色の水で、次第に周辺は水になってしまった。

高いところも少ないので、水浸しだ。ヘリコプターがホバリングしているので合図をすると、どうも逃げるは難しそうですね、などと言っている。

小さなボートがいくつかあるので、一緒に来た人たちみんなで分けて更に避難しようとする。

海のすごく真っ黒な冷たい水だ。火で焼かれるよりはまだマシだろう。大きな船があればいいが、考えてみれば飲み物も食べるものもない。

しかし意外と元気で楽観的だ。他の人たちは姿が見えなくなった。

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by kugayama2005 | 2017-05-22 17:55 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005