【第154夜】
今夜のレセプションには出席なさるの?、と女性が色っぽい目で聞いてくる。さあどうしますか、とあいまいな気持ちで答える。
路面電車で岡山駅まで行くつもりで、停留所の方へ向かうと、彼女はジョギングで行くと言って走り出し、後ろ姿が遠のく。
停留所には、背負い子に薪をうず高く積んだ少年たちがびっしり並んでいる。これでは座われそうにない。
一両半の中途はんぱな連結で車両が来ると、意外に空いている。運賃170円を出そうとするが、いくら探しても見つからない。
ホテルを予約するか、このまま東京まで帰ってしまうか迷う。今夜のレセプションには出席なさるの?、という女性の声が耳から離れない。