【第398夜】
ドキュメンタリー東京裁判のなかに、私の母が帝国ホテルの部屋に監禁されて、米側から聴取された内容が出てくる。聞かれた事は、戦争末期の米軍上陸時のための軍事訓練のことだ。母は、ひとりでも多くの米兵を殺すことができれば良いと訓練していたが、本物の槍ならともかくとして竹槍での戦闘準備であり、しかもその竹槍さえ最後まで手にすることはなかったと言っていた。戦争は終わっているのだから思ってそこまで詳しく話さないで、本土決戦は無駄なことだったとだけ言えば良いのではないか、と内心はらはらしたが、次の証言時には、ただ無駄なことだったと表現を変えていたので安心した。