夢千夜一夜【第533夜】EOS 5DS R/Carl Zeiss Planar T* 85mm

(承前)

【写真】関東地方で、ふと神社に立ち寄って祭神をみてみると、大国主、スクナヒコナであったりする。この神社は貞観年間にできたといういわれだ。貞観の大地震(869年)で未曾有の被害がでて、朝廷も遅ればせではあるが、和人、エミシを問わない死者の埋葬、被災者への免税などを指示し、伊勢神宮(アマテラス)に平安祈願をしている。まさにその時、大国主とスクナヒコナという非天孫コンビを勧請しているわけだが、その決定構造に興味を引かれる。異端者スクナヒコナは、乾いて割れたガガイモの実の船に乗り、蛾の体をくり抜いて作った羽毛マントを着て、海の彼方から出雲へやってきた。大国主と国造りをすると、じゃさいなら!、とまた海の彼方に帰っていった。学者は、計画的な穀物栽培(おそらく水稲)と、金属精錬が海外から出雲に伝わった神話と言う。ヤマト政権もそれを否定できず、潤色はおおいにあるとして出雲神話を残さざるをえなかったのだろうか。なお、スクナヒコナが「ガガ」の船に乗り「ガ」のマントを着ていたというのであれば、吉野裕子先生なら「それは蛇よ!」と仰るかもしれない。出雲神話のもう一つのテーマが、大蛇のシッポを斬ったら名刀が出てきたというものですからねえ。ちなみに当時の大陸南部には、人を飲み込んじゃう大蛇はそんなに珍しくなかったという説もあるし。




by kugayama2005 | 2017-11-20 00:03 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005