2018年 09月 04日
2018日記【007】菅原道真と遣唐使3
2018日記【007】菅原道真と遣唐使3
遣唐使の面々の行状を調べると、席次を新羅より上にしろと頑張るとか、中国娘と結婚して帰って来ないとか、生まれた日中ハーフの娘が父の国を見んとて渡海して難破、船の片割れにつかまってようやく日本に漂着するとか、いろいろエピソードは尽きません。往時の人々の躍動感が伝わります。
それらについてはまた機会を改めるとして、菅原道真の遣唐使廃止の背景私論をまとめておきます。
1 藤原氏の「できるものならやってみな」という宇多天皇と菅原道真に対する態度
2「政権に詩人は不要」という官僚政治の圧力
3 律令制の崩落、換骨奪胎による実力派の台頭
これらは武家政権の成立、戦国時代にまでつながっています。ゲバルトの誕生と言っていいと思いますが、その力の源泉は、律令国家という夢まぼろしを求めた結果、却って朝廷以外の勢力による土地集約を通じて、リアルパワーが確立したのです。
【写真】OLYMPUS PEN-F/LOMO TRIPLET-43 4/40 SMENA