2019日記【041】斉明(天智・天武)持統期の心的推移 18

693年の冬至、安騎野の冬猟について。


一番有名な短歌から読んでみたのだけれど、「安騎野の冬猟」は一つの長歌と、四つの短歌からなっている。ばらばらに読んでも意味がない。


冒頭の長歌では、


朝、藤原宮から出立し、「荒山道」を越え、安騎野に到着する、夕方には雪模様となり、その地で「草枕」の「旅宿り」をする


ということが歌われている。


主人公は、軽皇子(かるのみこ=持統天皇の孫、後に皇位継承し文武天皇)。軽皇子は、当時11歳の少年。


この「安騎野の冬猟」は、持統天皇の企画であり、主な目的は、軽皇子に天皇たる資質が見いだせるかどうかという、最終試験ではなかったか。持統天皇のことだから、この狩で資質が見出せなかった場合、あっさり天皇候補から外すことも考えていたと思う。(通常、持統天皇は孫への強い愛ゆえに、軽皇子の即位へ決意をもって臨んだと考えられているが)


藤原不比等など高官は、軽皇子が天皇にふさわしいと内心では決めていただろう。柿本人麻呂は、皆の心の内を知ったうえで付き従ってきたのだ。


2019-02-08で経路を探したが、藤原宮から安騎野までは、徒歩でも三時間程度だ。朝出れば、昼近くには着いてしまう。昼からと翌日、狩をしたのだろうか?


【写真】富山地方鉄道(立山線)沿線/SONY DSC-RX0


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by kugayama2005 | 2019-02-10 00:47 | 2019日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005