2019年 07月 30日
2019日記【210】斉明(天智・天武)持統期に至るまでの私的妄想 130
<承前>
◾️陶弘景「真誥」の夷訳
◾️少女神女(13歳くらい)が降臨
晋哀帝興寧3年(西暦365年)6月25日の夜、紫微夫人が天上界から楊羲(当時36歳の修行者)のもとに降臨した。夫人は、少女神女(13歳くらい)を連れてきた。少女の名前は、安の鬱姫。
少女の長い上着は朱色で、半身から裾に至って青く変わり、きらびやか。緑の刺繍のある帯を締め、そこには大小10個の鈴をつけている。その姿は、雲母が輝々とかがやくように、部屋中をきらきら光らせている。
美しい黒髪を、中央にととのった結い髪とし、余った髪は腰までさらさらと垂らしている。細くて白い指には金の指輪を、なよやかな腕には白玉を結んでいる。
紫微夫人は、少女神女・鬱姫について楊羲に問う、
「あなたはこのような姫さまにお会いになったことはありますか?」
楊羲答えて、
「心は尊く、気高く麗しい鬱姫さま。言葉で言い表すことはできません」
紫微夫人は、笑って、
「それでは。あなたのものに、してしまったらどう?」
突然のお言葉に、楊羲は答えることはできなかった。
当の少女神女・鬱姫は、ずっと黙っていた。手の内には3つのナツメの実を握っており、1つを楊羲に、1つを紫微夫人に、残る1つを自分に残して、皆に食べるように言った。
食べ終わると鬱姫は、楊羲に年齢と生まれ月を尋ね、さらに、
「あなたの師である女真(女の仙人)南夫人から、あなたの事は久しく聞いています。思いがけなく今夜、このようにして出会ったのですから、あなたとは末永く添い睦み合っていきたい」と言う。
楊羲は答えて、
「俗世間に沈んで溺れ、骨の髄まで塵にまみれる我が身です。貴女の教えの言葉で、どうか私の闇を払っていただければ、無上の喜びです」
鬱姫いわく、
「そのような仮そめに飾った言葉を、何やかやとしゃべらないでください」、と、しばらく黙ってから、
「これからあなたに詩を贈るので、あなたはそれを筆で書きとめなさい」
楊羲は、急いで筆と紙を用意した。
鬱姫の口からは次のような言葉が、
<次回に続く>



