2019日記【211】斉明(天智・天武)持統期に至るまでの私的妄想 131

<承前>

◾️陶弘景「真誥」の私訳


◾️少女神女(13歳くらい)が降臨<続き>


楊羲(当時36歳の修行者)のもとに紫微夫人が降臨し、神女・安の鬱姫(13歳くらい)を連れてきた。紫微夫人は楊羲に、「この姫をあなたのものにしてしまったら?」と迫った。


鬱姫は、楊羲に、

「これからあなたに詩を贈るので、あなたはそれを筆で書きとめなさい」と言い、次のように吟じた。


雲の城、天に立ちおり

聳ゆる、鬱羅の玉台よ

紫の宮、緑の山に映え

霊観は、峨々と萌えつ

玉宝の、朱き小部屋に

高徳は、暁色に証さる

伏して、雲居で口濯ぎ

仰いで、樹の碧花摘む

足洗う、玉天の池水に

櫂鳴る、牽牛星の河中

鞭打つ、瑞雲の奔馬に

轡落つ、騎竜から嶺へ

衣より、地平に塵捨て

裾絡げ、濁波を渉らん

願うに、山沢で結ばれ

剛柔は、和して一つに

清めん、手を取りつつ


【大意】

(私たち真人真女(仙人)は、雲居にそびえる宮城に住んでいます。瑞雲に乗駕して、天地の際を飛翔するのです。さあ、あなたも私とともに天地を往き来して、自然のなかで、ふたり結ばれましょう)


鬱姫は、

「紫微夫人の良きはかりごとによって、お会いすることができました」として、楊羲が急ぎ書き終わった詩文を一読し、


「今、この詩をあなたに贈ります。私のまごころを吟じたものですから、あなたは余計なことを考えてはいけない。詩文にわからない箇所があったら、自分で考えなさい」と言った。


紫微夫人は、楊羲に、真人真女のなかまになるよう誘い、

「さようなら。明日また、鬱姫とともに参りましょう」と言うと去って行った。


鬱姫は少しの間留まっていたが、楊羲の手をとって、

「今はあなたを思い、詩を吟じるのみです。明日また参りましょう」、と、向かった戸口を出る前に、忽然と姿を消した。


(参考:石井昌子著「真誥」)


【写真】山形新幹線(米沢福島)SONY DSC-RX0


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by kugayama2005 | 2019-07-31 01:51 | 2019日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005