2019日記【215】斉明(天智・天武)持統期に至るまでの私的妄想 135

2019日記【046】で触れた万葉集の冒頭の歌、雄略天皇の長歌について思い出してみると、巫女の育成機関で重要な科目は、本草学だ。


雄略天皇の歌は、春の野で草摘みをしている若い女性を偶然見つけて、誘いかけているのではない。巫女の修行に山ごもりをしている、有力者の優秀な娘を選んで、声をかけている。


後宮に優秀な薬剤師を置きたいのだ。後年の額田王も、そのような薬剤師だったと思う。薬剤師は、人を健康にすることが役割だが、その反対のこともできる。


(再掲)

◾️雄略天皇の長歌

籠(こ)もよ み籠持ち 掘串(ふくし)もよ み掘串持ち この岳(をか)に 菜(な)摘(つ)ます兒(こ) 家聞かな   告(の)らさね そらみつ大和の国は おしなべてわれこそ居(を)れ しきなべてわれこそ座(ま)せ われにこそは告らめ 家をも名をも


【私訳】

カゴですね、良いカゴをお持ちだ、掘り道具ですね、良い道具をお持ちだ


この丘に草摘みなさるお嬢さん、あなたの家はどこですか、お答えなさい


この、天神が高天原から見たという大和の国一帯は、私がいて、私がすべて統治している


私にこそ、お嬢さん、あなたの家や名を、教えなさい


【写真】湾ねこ SONY DSC-RX0  VCT-SGR1

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by kugayama2005 | 2019-08-04 00:48 | 2019日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005