2019年 12月 29日
2019日記【352】「日本霊異記」での防人説話 2
武蔵国多麻郡鴨の里で指名されたこの男(防人)は、吉志火麻呂(きしの ひまろ)という。
多麻郡鴨の里は今の東京都五日市市で、現在でも来野(きしの)家があるそうだ。※「日本霊異記」中田祝夫(講談社学術文庫)による
この男(防人)の母は、日下部真刀自(くさかべの まとじ)と言う。
母の家が「日下部」で、この男が「吉志」であるとすると、「日下部吉志」氏と関係があるのだろう。
日下部吉志氏の本拠地は、現在の埼玉県比企郡横見町にあたる、武蔵国横見郡。比企郡といえば、源頼朝の有力御家人、比企氏の本拠地だし、横見の隣の吉見には、吉見百穴という謎めいた遺跡がある。