2022日記【147】お釈迦様、最後の旅9


9 お釈迦様は、首相ヴァッサカーラに言う。「私は、あなた方が滅ぼそうとしているヴァッジーの国の霊廟に、一時期住んでいて、ヴァッジーの国民に法を説いた。その法とは、


 1 話し合いで決める

 2 なすべき事をなす

 3 定められた規則を守る

 4 古老を尊ぶ

 5 婦女童女をいたわる

 6 霊廟を守る

 7 優れた修行者を保護する


という7項目だ。この7項目(7不退法)を守っている間は、ヴァッジーは繁栄し、衰退はないだろう」


10 首相ヴァッサカーラ「法の1項目だけであっても相当なものなのに、7項目もあるとすれば確かにヴァッジーの繁栄は約束される。ヴァッジーがもしわが阿闍世王に征服されることがあるとすれば、阿闍世王の外交や戦争によるのではなく、ヴァッジー国内の不和や不信による以外にないでしょう。さて、私も忙しいものなので、帰ることにします」


お釈迦様「時良しとすればお帰りください」


首相ヴァッサカーラは、お釈迦様の言葉を聞き、喜びに満ちて座を立った。


「時良し」は「balam mannasi(時を知る)」と言い、「時と心のままに、さようなら」という意味の慣用句らしい。そういえば「time to say goodbye」っていう歌もありましたが。


お釈迦様の言う「7項目(7不退法)」というのは、明らかに王政を否定し、共和政を支持している。お釈迦様自身、王国の継承者のひとりに生まれたが、王政の悪き性(悪縁)を身をもって体験したのだろう。お釈迦様の生きた紀元前500年ころの古代インドには、少数ながら共和政の国もあり、ヴァッジーの国も商業によって栄えた共和国だったらしい。言葉の正確さを模索するなら、古代ローマを連想させる共和政ではなく、古代ギリシアのポリスにあった民主主義的というべきかもしれない。古代インドで古代ローマのような共和政体があったようには思えないので、今後は「古代インドの民主的小国」とでも言いたい。


ー続く


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by kugayama2005 | 2022-05-28 17:00 | 2022日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005