2022日記【160】お釈迦様、最後の旅22


:承前々


アーナンダの心の内(私の想像)


1 私アーナンダは、兄弟子たちから言われていました。『お前は常にお釈迦様に付き添っている。もう80歳のお釈迦様が、いつ亡くなってもおかしくはない。だから、いまわの際でお釈迦様がおっしゃるであろうこれまで隠していた秘法をしっかり聞き出し、われわれに伝えよ』と。


2 それでお釈迦様の竹林での雨安居の際、恐ろしい病気で苦しまれたので、ついにその日がやって来たのか、と覚悟を決め、『最後の秘術』を聞き取ろうと待っていたのです。それでお釈迦様が回復されたので安心し、「お釈迦様が最後の秘術を語らないで亡くなるはずはない」と思ってしまいました。


3 お釈迦様はそれを聞かれて「アーナンダよ、救いの仏(如来)といわれる者は、教えの重要な鍵を、手に握って隠すようなことはしない」と私を諌められました。言葉は優しかったのですが、内容は厳しいものでした。


4 お釈迦様は、何か特別な秘法で悟りが開かれるわけではなく、修行によってのみ開かれるということを改めて仰って、「直弟子にだけ語ることなど更にないのだ」と断言されました。


5 兄弟子の中には、お釈迦様の最期の秘伝を聞き出し、有力な後継者となろうと考えた者もいるはずです。そういう人たちが暗躍すれば、教団はひとたまりもなく壊滅するに違いありません。お釈迦様は私たちの愚かさをよくご存知で、まだまだ訓育が足りないと悲しまれたのです。


■TOKYO雨季雨期/Apo-Macro-Elmarit-TL 60/f2.8 ASPH.Leica TL
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by kugayama2005 | 2022-06-10 17:00 | 2022日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005