2022年 07月 29日
2022日記【209】境界と自由395
■Puranānūru#201
次は同じKapilar(カピラール)による#201の詩。カピラールはパーリ王没後、パーリ王の娘ふたりを預かって小国を巡っていた。#109とは違い悲壮な詩。
諸侯が誰かと問う彼女らは王の娘
かの王は求めに来た者に街を与え
香草酒の献上者には戦車を与えた
かの戦象にはたえなる連鈴を飾る
パーリ王よ!その娘は今は我が娘
罷り候我は故王の友波羅門の詩人
貴殿はヴェーリル49代にわたる
歴代のヴェーリル族で最も優る王
膝下に慈悲もちてお与えくださり
高き巨壁の銅の聖都を築かれ治む
北方の犠牲獣の胎より現れし伝説
ああ戦闘においては常に勝利の王
ああ幾重もの鈴に飾らる戦象の王
ああ華の栄誉を戴冠する虎殺の王
人々と詩人への責務を誰もが知る
我はそれを示し貴殿は受け入れん
そびえる金山の並びなき膂力王よ
敵が震撼する大海原の蒼穹の槍王
ああ国土の法は不滅と知らしむ王
※客人となったカピラールが、王の前で謡う詩だから多少古語的に訳してみた。