2023日記【283】境界と自由794

◼️江戸/遊民/擾乱7

ところで話はさらにそれるが、西川如見は本居宣長の1世代前の人物であり、宣長は(松坂の書店主ときわめて親しかったので)如見の世界地図をよく知っていたと思う。地図好きな宣長が知らないわけがない。

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西川如見

 16481724

本居宣長

 17301801

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遡れば、有名なマテオ・リッチが世界地図(山海輿地<よち>全図)を中国で印刷したのは1586年だという。西川如見は長崎にもたらされた(写しかもしれないが)山海輿地全図をもとに、天文・地理を考察したのだろう。

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マテオ・リッチが中国(明朝)に持ち込んだ世界地図には実はちょっとした工夫があって、中国にヨーロッパの世界地図をそのまま紹介することには危険があった。ヨーロッパの世界地図は、現在でも欧米で使われているものと同じで、つまりヨーロッパが中心に描かれ、中国は東の端だ。そういう地図を中国人に見せれば、命が危ないと考えたか、太平洋中心に(つまり日本で今普通に使われている世界地図のように)書き直した。

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それで、面白いことに中国より日本が世界の中心付近に来てしまっている。 ↓徳島大学附属図書館

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by kugayama2005 | 2023-10-10 17:00 | 2023日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005