2024年 10月 05日
2024日記【276】境界と自由1158
承前:
「おくのほそ道」のいくつかのピークを、私なりに選んでみる。
2 尿(しと)前の関(仙台藩から出羽藩へ) 堺田 山刀伐峠
関所では関守に睨まれ、雨で山中に足止め2泊、都会に慣れ親しんでしまった芭蕉先生が、すっかり魂消てしまった山越え。
◼️蚤(のみ)虱(しらみ)馬の尿(ばり)する枕もと 芭蕉
雨で動けず、泊めてもらったのが国境の役人「有路」さんの官舎で、現在も「旧有路家住宅(封人の宿)」として存在する。芭蕉が宿泊した家屋が現存する唯一のものという説もある。
馬が同居するのは東北地方の「曲がり屋」「中門造り」同様だが、「旧有路家住宅」は曲がっていない。