2024日記【349】境界と自由1231

承前:

さてここで芭蕉から元禄6年春に、秘伝書「白砂人集」他を相伝された許六(きょりく)の視点を調べてみよう。許六は近江彦根藩の藩士で、藩命で江戸へ派遣された時に芭蕉に入門した。その時、発句の数点を書き出し、持参した。

◼️ 十団子(とをだご)も小粒になりぬ秋の風 許六

の句をみて芭蕉先生は「おおきに出来たり」と褒めた(と許六は「俳諧問答」に書いている)。

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許六は名ばかりの武士ではなく、諸武芸に優れていた。文武両道の人で、漢籍や俳諧、絵画にも通じている。芭蕉先生は許六から描画の基本を習った。

↓ 宇津ノ谷峠(現:静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷/旧東海道の難所)十団子のある茶屋。看板に「名物 うつの山 十ヲだん子 立場」と書いてあるが「立場茶屋」というのである。丸く数珠のようにひもで通し、軒先に吊るしてあるのが「十団子」。面白いのは右端の柱についている板に「仙女香 坂本氏」と書いてあるが、これは京、江戸の粉白粉商「坂本商店」のたくみな宣伝/もちろん芭蕉の時代のものではなく広重筆(右半分の部分)

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by kugayama2005 | 2024-12-18 17:00 | 2024日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005