2006年 08月 06日
von OTTER「I LET THE MUSIC SPEAK」ほか女性クラシック歌手を聴く・・・
昨日のブログで歌の翼ということに思い至った。やっぱり歌の翼というのなら、彼女たちを聴かねばなるまい。・・・
十 そうだ肝心のことを忘れていました。女性クラシックヴォーカルを聴いたきっかけの一つはシュヴァルツコップ女史が亡くなったというニュースを受けてでした。ご冥福をお祈りいたします。実は彼女のCDを一枚も持っていませんでした。
↓アンネ・ゾフィー・フォン・オッター「I LET THE MUSIC SPEAK」
このアルバムは最初聴いた時、冒頭の音符3つで感動してしまいました。オッターは積極的にクラシック以外を歌っていますが、このABBAは格別にしみじみとしています。ぜったい自分たちの歌をカヴァーさせないABBAも相手がオッターならしかたないですね。オッターのような大御所にこんなこというと失礼だとは思いますが・・・ほんとうに可憐なオバサンですね。(後で気付いたのですがオッターを最初に聴いたのは戦略的間違えでした。他のアルバムが色あせてしまう)


↓森 麻季「Bist Du Bei Mir(あなたがそばにいたら)」
タイトルは、バッハのアンナ・マグダレーナのための音楽帳のなかの曲。“夜ご美”の旦那は森さんの手を握って“あなたは美しい”とささやいたらしい。イヤラシイ、クヤシイ。サイン会での握手は禁止にしてほしい。
歌詞はBist Du bei mir,geh ich mit Freuden zum Sterben und zu meine Rhu!で、あなたがそばにいれば私は永遠の憩い、死へと喜びとともに赴くでしょう・・・というものですが、ボクの考えではDuは神様のことで「神の御許では死は永遠の憩い」という意味だと思います。Du(キミ)はSie(貴殿)と違って友だちに使う代名詞と言われていますが、神様をお呼びする時はDuと言いますよ。


↓ユリア「Into The West」
「西入る」って京都の地名みたいやね(笑)。なんかねえ。今流行り(流行らせようとするやつがいるだけの話)クラシック・クロスオーバーだっていうんだけど。まあニュージーランド攻勢と言ってもいいでしょう。マオリのホキホキトヌマイ(帰っておいで愛しい人の魂)が入っているので、いきおい次はキリ・テを聴くことになる。


↓キリ「MAORI SONGS」
キリ・テ・カナワ。マオリソングを歌わせたら、だれも彼女にはカナワない。彼女のソプラノはひとつのありうべき理想型ですよね。

↓ヒブラ・ゲルズマーワ「ORIENTAL ROMANCES」
日本ではまだゲルズマーワは売れていないみたいだけど、ちょこっと来日はしています。

↓ルネ・フレミング「Haunted Heart」
When did you leave Heaven,angel mine?...いいですよね、ほんとに。先日以来、リサ・エクダールの声が耳に住み着いてしまい、ちょっと矯正のためにルネ聴きました。ルネでリサをリサからルネへの贅沢。CDってゴミみたいなCDでもこんな宝石みたいなCDでも同じ値段だから笑えますよね。

↓フィリッパ・ジョルダーノ「FILIPPA GIORDANO」
ルネに続き今や定番化しているFGのアルバム。ボクはこのヒトは美女の姿をした大悪魔じゃないかと思ってるのですが、大天使とのバトルにも軽く勝利する悪魔ですよ。・・・でもこれって彼女には許されるんですか?・・・他のヒトがこんなふうに歌ったら反則というかもう犯罪ですよね、これは。


↓カルメーラ・レミジオ「SOGNO」
パレルモ生まれのフィリッパ・ジョルダーノに続いて、ペスカラ生まれパレルモ育ちのレミジオと行ってみましょう。こういう正確なクラシックもいいものですよ。それにしてもシチリア島って・・・美女ばかりのパルディオーゾ!?

↓アンジェラ・ゲオルギュー「プッチーニ」
どうもプッチーニって・・・とお思いの方多いかと推察いたします。ワタクシもどうも・・・。でもこのアリア集はいかがでしょうか。ゲオルギューの均衡がとれしかもすべての部分で美しいこのアリア集。「蝶々夫人」から始まって「ラ・ボエーム」私の名はミミ、とか「マノン・レスコー」「トゥーランドット」そして「トスカ」に至るまでうまくまとめられています。

↓マリア・カラス「la callas...toujours PARIS 1958」
ことあるごとにこのマリア・カラスのDVDについては触れてきたのですが、最後はこれで。日本の音楽評論家もいいかげんだと思うのは、この映像が発掘されて初めて動くマリア・カラスを見て、腰を抜かしたのであります。専門家が見て腰を抜かすわけだから、これはやっぱり凄いものです。もちろん「トスカ」も。・・・この鬼神のごときマリア・カラス、いやもう鬼と化しているといえましょう。声がどうの技術がどうのというレベルの話ではなく、カリスマそのものです。


このCD、ワタクシはエコーがきつ過ぎて気分が悪くなって最後まで聴く事が出来ませんでした・・・何か耳から来る乗り物酔いみたいな状況でした。散人先生は大丈夫でしたか?