CDデビューしてからまだ2、3年しかたっていないということが信じがたい。いま若手で一番、同年代にも浸透しているヒトなのではないだろうか。ジャズに興味のない人たちも、上原ひろみは聴いているらしい。才能の評価は客観的にはできないにしても、上原ひろみは天才だと思う。爆発は髪だけではないのだ。これからこれ以上彼女がどんな音符を繰り出すのか、おそろしい気がする。でも、人生はまだ何十年もある。をぢさんは死んでしまうにしても、きみは生き続けるのだ。アルチュール・ランボーが詩を棄てサハラを越えブラックアフリカへ偽商人として消えていったように、きみはどうやって消えるのかね。それを確かめられないのがそも残念だ。