五月の小樽、二日目・・・北緯43度8分13.977秒:東経140度53分5.635秒を探せ!

小樽まで来たわけについて語るべきだろうか。実は、去年の夏の東京へ帰る前日、小樽から余市まで山道をチャリ坊で踏破して、キタキツネの写真を撮った際、悪路と時間と体力消耗と飲料水減少とのたたかいでついに最後にチャリ坊を山の中に隠し、徒歩で下山したのだった。東京に帰って、チャリ坊とまったく同じ自転車をかって知らん顔していたボクは悪いヒトでしょうか?

チャリ坊を手放すタイミングは難しかったが、クマザサが変速機にからまって走れなくなるのと、薮こき状態の登りに限界を感じた。身軽になって先を歩かないと、最悪の日没がやってくる可能性があった。結果として選択は正確だった。・・・そして雪の時期は無理としても、春になったらチャリ坊をとりに行かなければならないのである。場所はだいたいの位置しかわからないが、前後の状況は頭にはいっているので、小樽から山に入るよりも反対側、すなわち余市の蘭島から入るべきということで、早朝、小樽から蘭島にJR移動。

小樽駅は小樽ガラスのラムプの駅なのだ。
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小樽から蘭島まで。
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蘭島駅。
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駅というのは・・・必ずノスタルジー。
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左川ちかもこの線路で小樽へ通った。
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山に分け入ると雪が残っていて、場所によっては雪渓といってもいいほどだ。このフキノトウを帰りにとって酒のつまみにしようと思ったが、経路を変更したのでとれなかった。
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カタクリの花がこころを引くが、山はなかなかつらい。
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雪解け水のちいさな池に、蛙の卵塊をみつけた。こんな山の中で、もうすぐオタマジャクシが生まれるのか・・・。チャリ坊が見つからなくても、こんな卵を見られからいいかと自らをなぐさめる。雪に埋まり、雪崩にもあい、チャリ坊は谷底に落ちてしまったにちがいない。
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その後、とぼとぼ歩いたが・・・あ!
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ちゃ?
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り?
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ぼ・う・だ〜!
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よく見ると、ケモノのウンチがついている(後で湧き水で洗った)。
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組み立てた。チャリ坊は意外とクールであります。
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なんとサドルはキタキツネ(おそらく)にかじられて歯形もついている。これは記念品にしよう。キツネにかじられたサドルを持ってるなんて!おそらく他に誰がいる!
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チャリ坊を見つけた瞬間、携帯電話がなって、ニュース速報を報じた。こんな山のなかでも偶然角度が合えば電波を受信するということがわかって、チャリ坊が越冬していた場所に立って、携帯のGPSで場所を調べたら・・・北緯43度8分13.977秒:東経140度53分5.635秒!

06時11分 小樽発
 JR
06時32分 蘭島着
 徒歩
12時00分 山中にてチャリ坊発見
 山中チャリ走りの術
15時31分 余市町内でバス乗車
16時すぎ  小樽市着
Commented by mariko-sugita at 2008-05-05 20:05
現代のタロー・ジロー物語みたいです。
チャリ坊、随分かじられて痛そう・・・だけど・・・信じて待っていてヨカッタね! 
よく頑張りました。。。
Commented by トントン at 2008-05-05 21:45 x
タロー・ジロー物語!!(笑)私の、コンタクトレンズもタロー・ジロー物語のようにならないかなあ・・もう一度行ってみようか。
同じチャリを買って、人の眼をごまかしたって?人のことは言えぬ・・私も同じコンパクトデジ買ったものね・・あ~、そのデジが今日壊れた~、なんとも複雑な思いで、今日のお話を読んでしまったことよ!でもすごい!!そのままいたなんて。いや、また行った散人さんもすごい!!
Commented by 紅蓮 at 2008-05-05 21:49 x
な、なんと・・再会おめでとう♪
チャリ坊、山の中で越冬、えらかったね!

カタクリの写真がすてき。駅舎のランプもすてき。
Commented by mariko-sugita at 2008-05-06 00:13
キャハハ・・・
トントンさん、夜中に吹き出しちゃいましたよぉ。。。
またまた、ツボにハマッてしまいました。
コンタクトレンズ見つかるといいですね。
どうぞ、どこも囓られてなくて 無傷で見つかりますように!
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 04:35
マリコさん、自転車キツネにかじられてさぁ〜、って何がオモシロいかわからないけど、オモシロい話だね。まさか一冬、自転車を山に隠しておくなんてバカなこと普通はないよね。コンタクトレンズはキツネはかじらないけど、ハエトリグモがなめている、と思います。

マリコさんのとこで見ていたので、フキノトウを採ってくる筈だったのですが。あの道は雪が多くて自転車では危険(すべったら谷に転落)なので、チャリ坊を発見したあとの帰りは違う道に行ってしまいました。
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 04:37
トン姉、コンパクトデジカメはお雑煮の椀に落としたのでしょ?
それだったらタロー.ジローじゃなくて石川五右衛門じゃない?
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 04:40
紅蓮さん、ということで、足慣らしに札幌の藻岩山に行ったのと、昨日余市の山に入ったのとでボクの山は終わりです。あれで大型カメラもって行くのは無理だってことがわかったので、大型カメラでは海を写すことに変更!
Commented by 諏訪ッチ at 2008-05-06 08:25 x
絵も良いけど、物語に感動しましたね~。
映画にはなりにくいけどね。(笑)
車窓の風景がノスタルジック・ファンタスティックですな~さすが北海道。
Commented by さと at 2008-05-06 11:20 x
うわぁ!よく見つかったこと、感動ですねぇ。
ガラスのランプ。
いいなぁ。うっとり眺めてます。
Commented by magic-days at 2008-05-06 14:00 x
自転車良く見つけましたね!
チャリ坊クンは、久我山恋人さんをじっと
信じて待ってたんですね。
忠犬チャリ坊クンです!!
本当に偉い!!一緒に寝てあげて下さい。
一冬キタキツネに齧られながら、耐えたのですから!

札幌の文字懐かしい!
私にとっては、第二の故郷です。
いつか帰りたいなぁー
Commented by ekoekolove at 2008-05-06 15:55
優しいチャリくんだなぁ。
きっとやんちゃな子狐と遊んであげたのですよ。
小樽の山中で越冬だなんて、チャリくん貴重な体験しましたね。
散人さんの冒険と云うより、チャーリー・ボウの長い旅、って感じ。
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 17:49
諏訪殿、そうですかぁ〜、しょせんは夏休み春休みのいっかんのつもりですが、限界まで体力つかいました。はっきり言って、一歩まちがえれば死にます。
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 17:52
さとさん、ランプ好きですよねえ。小樽はガラス工芸がありますので、街にもランプがたくさんありますよ。ガラス工芸教室もあるので入りたくなりました。・・・それよりホンモノの良いベネチア・グラスが置いてある店があったので感動でした。撮影禁止!!
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 17:55
magic-daysさん、いっしょに寝ません。
だってキツネと一冬寝たかもしれない。
Commented by kugayama2005 at 2008-05-06 17:57
エコたん、チャーリー・ボウの長い旅、それいいね。
キツネに同情してキツネのなかまになる物語かな?
by kugayama2005 | 2008-05-05 17:53 | こげこげチャリ坊【輪行メモ】 | Trackback | Comments(15)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005