戦死する若者が、「天皇陛下万歳」と叫んだか、ただ「お母さん」と叫んだか、それはボクは知らない。でも一つだけ確信が持てるのは、英霊は靖国神社には帰らず、父母の待つ故郷の山川に帰ったのだ。この映画はそういう映画なのだけど、セイジュンだからそうストレートには書いていない、しかし、そうなのだ。
禰津良子なのである。彼女は、したたかに生きる日本そのものなのである。この映画は禰津良子を見る映画なのである。肢体なのである。
ところで唐突にお出ましになる小百合様なのですが、いかにも捨てカットでゴザイマス。この後の文芸路線がなければ、小百合様もこんなとこでおしまいだったかもね。