2008年 08月 20日
朝比奈隆+新日/指輪全曲(廃れゆく夏にはクラシックを 003)
(ヴァルキューレとは戦死した勇者を天馬で天上に運ぶ乙女の神)
<序夜(ラインの黄金)の最後に神々の全的没落が暗示されたことにより、神々の長ヴォータン
は地上に英雄をつくり危機を克服しようとする>
(1)神ヴォータンは地上の女性に兄妹の双生児ジークムントとジークリンデを産ませる
(2)この二人は生後すぐ離れ離れになり、再会すると恋に落ちる
(3)ジークリンデの夫は駆け落ちした二人を追い詰め、ジークムントと決闘になる
(4)ヴォータンはジークムントに霊剣をもって勝たせようとする
(5)しかし妻に反対され、神ヴォータンはジークムントを敗北させるべくヴァルキューレを地上に
送る
(6)派遣されたのは戦いの乙女ヴァルキューレのひとりブリュンヒルデ(ヴォータンの娘)
(7)ブリュンヒルデは二人の愛を目前にして、命令に反しジークムントを勝たせようとする
(8)しかしヴォータンは霊剣を砕いてしまいジークムントは死ぬ
(9)命令に反した娘をヴォータンは天上の岩の上に眠らせ、炎で周りを囲う
(10)ジークリンデは森に逃れ、ジークフリートを産んで死ぬ
ワーグナー「ニーベルングの指輪」は当然「ニーベルンゲンの歌」(中世ゲルマンの叙事詩)を下
敷きにしたシナリオだけど、「楽劇」にするためには原作そのもののシナリオ化はなかなかつら
いものがある。ボクはワーグナーは基本的に好きじゃないんだけど、しかしシナリオのまとめ方
はすごいし、これだけの大作を一人でつくってしまうのはやはり尋常ではない。
「ヴァルキューレ」は人気の高い作品で、「ヴァルキューレの騎行」などは単独でも演奏される。
さて、ヴォータンは期待をかけるジークムントをなぜ死なせたのか、ここがなかなか肝心なとこ
ろで、妻に凹まされたのは(1)ジークリンデは夫を裏切った(2)兄妹の恋愛は禁忌である、と批
判されたことでもあるが、もっと「グサッ」っときたのは、ヴォータンは「自由な意思と行動力をも
つ勇者をつくる」と言うが、実は「ヴォータン自身の意思を反映した勇者」をつくろうとしている、だけと、妻に見抜かれれていたことである。
で、朝比奈隆翁のことだけど、朝比奈といえば大フィル、したがって関西の人かと思うとそうじゃ
なくて東京の人なのだ。以前はよくあった「国鉄一家」の家庭だったのに、京大卒業時に国鉄の
管理職採用試験に通らず、やむなく阪急に入社、切符切りから運転手から阪急デパートの売り
子まで、なんでもやったという。しかし、音楽の道に進むことを決意、惜しまれながら阪急を退社
した。と、著書に書いてあるけど、翁の本で一番記憶に残るくだりは、「仕事を終えて音楽会に来
るでしょ。それできれいな音楽がなりだす。気持がいいですね。そして眠くなったらぐっすり眠っ
てください。」という。
そうか、眠ってもいいんだ、と、とても安心しました。ボクはベートーベンとかは眠くなるんです。
能楽堂なんか行ったら爆睡しちゃいます。
それも2つとも世界新記録で!
うむ?
ここは、音楽ブログ?
トントンさんと同じく、ごめんなさい!
朝比奈さんも寝て良し!と
仰ったのですか?
大物は違いますね。
お能の会で寝てしまった先輩に師匠が
同じ事を仰っていました。
「下手くそが、謡ったって寝れた物じゃないのよ。
熟睡出来たでしょう?」の一言に
冷や汗タラタラでした。
福岡の時の師匠ですけどね。
もう、80歳になられたと思いますが・・・
走る前の、おつむつるりんは面白かったですけど。
ここはべつに音楽ブログってわけじゃありませんので、宜しく。
ヘタクソの謡では眠れない!、至ってそのとおりですね。
オーケストラも同じかもしれません。相当のテクニックがないと聴衆を眠らせるのは無理かも!