2019年 03月 13日 ( 1 )

◾️わざうた(童謡)の辛辣さ


時代遅れになりつつある、老巫女の舌鋒?、あえてそう妄想したい。


この時期、多くの「わざうた(童謡)」が記録されている。わざうた(童謡)とは、いつともなく、どこからともなく流行してくる歌だ。


その多くは、未解明のものだけれど、わかりやすそうな、近江朝当時のものを一つ。


・タチバナは おのが枝々 なれれども      玉に貫(ぬ)くとき 同じ緒にする


橘は、自生の北限が静岡県なので、それ以北の人はピンとこないかもしれないが、要するに原種ミカンなのだ。


【私訳】

◾️タチバナの実は、それぞれ自分の枝々になっているはずのに、玉飾りにする時にはそれをもいで、穴をあけ、連ねて緒にくくる(そのように新しい貴族たちがぞろぞろ出世したぞ)


これは近江朝、天智天皇崩御の1年前、672年春、大友皇子が太政大臣となり、たくさんの貴族がぞろぞろと新しい爵位を大盤振る舞いされた。それを皮肉っているらしい。(「日本書紀 全現代語訳」宇治谷孟による解釈に依存)


壬申の乱で亡き者となる大友皇子は、才能、容姿ともに秀でた若者とされている。その周囲の貴族たちは、多く比較的新しい渡来系ではなかったか。


時代遅れになりつつある老巫女が、その人事を知って、舌鋒を鋭くするのだ。「タチバナの、実もいで、つなげて玉飾り~」と、歌わせるのだ。


もともと近江遷都は評判が悪く、「人々は喜ばず、批判の風説を流し、わざうた(童謡)も多く、火事も頻発」したという。


おそらく、天智天皇最後の1年は、大友皇子が全面的に政権を運営したのだろう。周辺の貴族たちには敬われ、賛美されたが、旧来の貴族たちや、民々は疎外された。このあたりも、壬申の乱の導火線になっていたに違いない。


【写真】早春のアオサギ劇場

 EOS 5DS R/EF400mm F5.6L USM


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by kugayama2005 | 2019-03-13 01:00 | 2019日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005