2019年 09月 23日 ( 1 )

柿本人麻呂  安騎野遊猟反歌

◾️東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへりみすれば月傾(かたぶ)きぬ


考えてみれば、「東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えて」というのは、確かに、「東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)」は事実立っているのだ。渾身で詩神を呼び起こし、炎を視認したのだ。


その日の未明、軽皇子は騎乗姿もりりしく、東の野に乗り出した。そこに炎を見た以上、皇位は継承されるだろうと読みべきなのかもしれない。


なお、炎=かぎろい、と読むのは賀茂真淵大先生の天才的な読みだが、私は意を決して反抗してみる、


炎=ほむらび


でどうだろうか 笑)


もちろん、炎=ほむらびは、日の出前の幾条かの、かすかな陽光ではあるが、知っている人には軽皇子と天武天皇が重なって了解されるのだ。


大海人皇子(後の天武天皇)は、吉野を脱出すると、安騎野から伊賀に至り、名張の馬家を燃やした。馬家とは官道に配置された駅で、それを焼くということは、前代未聞、天皇の都近江朝に弓を引く政権交代ののろしだった。その炎を連想させるのだ。


炎=かぎろい、では詩趣に満ちてしまう。炎=ほむらび、なら知っている人には明快だ。さらに火(ほ)は古代精神の象徴のひとつだから。


◾️東(ひむがし)の野に炎(ほむらび)の立つ見えてかへりみすれば月傾(かたぶ)きぬ


【写真】湾ねこ SONY DSC-RX0  VCT-SGR1

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by kugayama2005 | 2019-09-23 23:13 | 2019日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


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