2019年 09月 26日 ( 1 )

柿本人麻呂

◾️石見国自傷歌


(万葉集の編纂にあたって誰かが付けた詞書(題詞))

柿本朝臣人麻呂、石見の国に在りて死に臨む時に、自ら傷(いた)みて作る歌一首


◾️鴨山の磐根し枕(ま)ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ


【意訳】

それは鴨山の岩にはさまって、岩根に頭をのせ、死した身体を横たえている私だろう。そんなこととはつゆ知らず、妻は私の帰りを待ちつづけているのだろうか。そうだ、待ちつづけているに違いない。


万葉集の編纂にあたって誰かが付けた詞書(題詞)には、これが辞世の歌と書いてあるが、奇妙なことだ。


「鴨山の磐根し枕(ま)ける我」というのは、一種の、はかない死への憧れではないか、だいたい、岩根を枕に横死しようとしている人が、筆をとって辞世の歌を書くこと自体、絵画的であって現実ではない、とも思ったのだが、


伊藤博氏が、「(柿本人麻呂の石見国自傷歌は)歌俳優人麻呂の創作した歌劇(歌語り)だ」との旨説かれている(國文学 解釈と鑑賞 19739月号)ことを知り、私の目もぱっちりと開いたのだった。


【写真】湾ねこ SONY DSC-RX0  VCT-SGR1

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by kugayama2005 | 2019-09-26 23:13 | 2019日記 | Trackback | Comments(2)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005