2019年 09月 29日 ( 1 )

◾️鴨山の磐根し枕(ま)ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ


この歌に魅入られて、鴨山を探してしまうのはやむを得ない。しかし、鴨は、賀茂でもあり、加茂でもあり、製鉄と関係があるというのが、古代人の常識らしい。石川の上流に鴨山があるのだそうだ。


往時の製鉄は、この列島に鉄鉱石が発見されなかったことから、砂鉄を求めて行われた。砂鉄は、石の多い川を遡って探すらしい。


◾️今日今日と我が待つ君は石川の峡に交じりてありといはずやも(意訳:今日か今日かと私がお帰りを待っていたあなたは、石川の奥の山々のはざまに行き、消えてしまわれたのかも知れませんね)


これは◾️鴨山の〜の次に掲載されている歌で、万葉集では「柿本朝臣人麻呂が死にし時に妻・依羅(よさみ)が作った歌」とされている。


この歌も、伊藤博氏の「人麻呂の創作した歌劇(歌語り)」説に従えば、人麻呂が妻になりかわって作ったものとなる。


◾️鴨山の〜、に続けて、一転、妻の視点になり◾️今日今日と〜、と歌うことで劇は進行するのである。


鴨山と石川によって自分の死にざま劇を歌った人麻呂の背景に、砂鉄による製鉄事業があったことは、宮廷歌サロンに集まった諸氏は当然知っていることだった。


人麻呂は、都を、宮廷をはるか離れて、鴨山製鉄所に赴任するのだ。そしておそらく、帰ってはこない。


【写真】湾ねこ SONY DSC-RX0  VCT-SGR1


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by kugayama2005 | 2019-09-29 23:43 | 2019日記 | Trackback | Comments(0)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005