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2018日記【006】菅原道真と遣唐使2


『入唐求法巡礼行記』という書物があり、実にすごい記録だと思う。最後の遣唐使の一員として渡海した、円仁という僧の日記だ。


本筋の話は別にして、帰国の経緯が詳しく書かれている。円仁は、当初帰国を拒み、故意に置き去りにされた。しかし希望する修行を続けることが困難であることを知り、在唐新羅人の協力を得て船を調達し、他の日本人とともに帰国する。


新羅と中国は、海運によって通商をしていたのだ。つまり、中国本土から朝鮮半島沿いに、日和見をしながら航行することは特に困難ではなかった。そのまま南下すれば、日本に着く。


一方、遣唐使船は、日本から直接に揚子江河口を目指して行くし、帰りも同様だ。正式な派遣団が、反目している新羅の沿岸をたどって行くことはできなかったのだろう。


しかも正月の長安の行事に参加することが目的だから、日程的に夏から秋口の危険な時期に航海するので遭難が多かった。


つまり美しく艤装した大型の遣唐使船ではなく、小型の快速船で黄海の沿岸を通って行けば比較的安全なのだ。円仁も、さらに置き去りにされた円仁の従者も、そういうルートで帰国しているらしい。


菅原道真の時代には、より多くの唐や新羅の商人が博多に来航し、日本人も多くその船に便乗して往来していた。文物や情報の流通も、もはや遣唐使を必要としていなかったのだろう。


つまり、破綻した最後の遣唐使計画は、ひとえに道真周辺の事情によるものだったのではないか。


【写真】OLYMPUS PEN-FLOMO TRIPLE-43 4/40 SMENA


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by kugayama2005 | 2018-08-31 06:08 | 2018日記 | Trackback | Comments(2)

【第1011夜】


仮に水神村という名前の小さい集落だ。四方、黒い軒が接して、切り取られた空がクルスに見える。ネコが蘭奢の布でほほかむり、頭をサランラップで巻いている。


【写真】solitude binarystar TOKYO


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by kugayama2005 | 2018-08-30 05:30 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

【第1010夜】


最上階から一階下がると、ワンフロア全部がレストランということがわかった。エレベーターがその階には停まらないので、誰も知らない。広い窓から都心を眺望する。メニューもすばらしい。オマール海老を食べたい。


【写真】solitude binarystar TOKYO


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by kugayama2005 | 2018-08-29 05:30 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

【第1009夜】

知人がどこか遠くで、事業に成功した。たまたまその地を訪れて、再会したのだ。一夜酒宴をもよおしたいものだが、帰る予定は明日だ。また改めて来るかどうかといえば、来ないだろう。そのまま別れた。


【写真】solitude binarystar TOKYO


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by kugayama2005 | 2018-08-28 06:32 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

【第1008夜】

海べの事務所に行く。海水がひたひたと迫っている。エメラルド色の小鳥が数羽、岩礁にとまった。仕事は特にない。


【写真】solitude binarystar TOKYO


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by kugayama2005 | 2018-08-27 06:02 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

2018日記【005】菅原道真と遣唐使


以前から腑に落ちない思いをしていた、標記案件。実施されなかった最後の遣唐使について。


菅原道真がじゅうぶんに関与し、天皇の名で遣唐使が決定され、道真自身が大使(正使)に任命された。それを道真が、天皇の名をもって中止してしまうのだ。


政治的には大失態だろう。それでつらつら、心情的には道真の側にたって、中止の経緯を考えてみた。


遣唐使は命がけだ。藤原氏などによる道真排斥の仕掛けがあるのではないか、という疑念。

唐の国も斜陽だ。行っても得るものは少ない。(それまでの遣唐使が、唐にある重要な書物を集めまくって帰国していたので、情報収集もほぼ充たされていたというのも事実らしい)

予算がかかりすぎだ。費用対効果の観点から批判に耐えかねる。


しかしそれらは事前にわかっていることで、そんな単純な理由ではないだろう。道真の祖父は遣唐使として派遣されているので、その実態はじゅうぶん過ぎる程知っているはずだ。


【写真】天竜浜名湖鉄道/夏

OLYMPUS PEN-FKodak Cine Ektar Lens 25mm f/1.4


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by kugayama2005 | 2018-08-26 06:49 | 2018日記 | Trackback | Comments(0)

【第1007夜】


駅の階段にノートを置いていく怪しい男がいる。階段の登り口付近に置いたり、手すりの陰に隠したりしている。


【写真】天竜浜名湖鉄道/夏


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by kugayama2005 | 2018-08-25 05:47 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

【第1006夜】


何のシナリオかわからないが、シナリオを書いている。(夢の中で)この夢の中で作ったシナリオと映像をどうやって夢の外に持ち出すのか?、と考えている。前半部分はきちんと原稿と映像を作ったが、同時進行でアシスタントの女性に後半の粗編集を依頼していた。見てみると、まったく粗雑で使い物にならない。暗たんとしてカットをくり返す。


【写真】天竜浜名湖鉄道/夏


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by kugayama2005 | 2018-08-24 06:04 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(4)

【第1005夜】


ふと見ると、脚の血管に小魚が泳いでいる。さてどうしたものかと考えるが、そのまま泳いでいても差し障りはないかもしれない。しかし、魚が心臓に入ったらどうなるかギモンだ。その時は死ぬのかもしれないと思う。


【写真】天竜浜名湖鉄道/夏


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by kugayama2005 | 2018-08-23 05:59 | 夢千夜一夜 | Trackback | Comments(0)

2018日記【004】スタニスワフ・レム『ソラリス』とタルコフスキー


002】でちょっと触れたレムとタルコフスキーの件。レムは映画「ソラリス」の成り行きにたいへん不満で、3週間の議論の後ケンカ別れになったといいます。


タルコフスキーが原作にない「郷愁」に結果を落とし込んだところが焦点のようですが、それはそれでタルコフスキーの芯の部分ですから、タル氏も譲れなかったのだろう。しかしこう言ってはなんですが、レム氏としてはロシア人の郷愁などに付き合ってはいられない。


ポーランド語から「ソラリス」を翻訳した沼野光義氏の問いに答えて、レムは次にように言っています。


タルコフスキーは、宇宙に対して悪夢が満ちている領域のように表現しようとした。私はそうは思っていない。


原作にない主人公の家族をまるごと登場させたり、ロシアの殉教者を思わせる伝統的なシンボルが、映画のなかで大きな役割を果たした。


でも映画化の権利を譲渡した後だったから、もうタルコフスキーの姿勢を変える可能性はなかった。ロシア語で「あんたはバカだよ」と言ってモスクワを離れた。


タルコフスキーが原作にない、家族、殉教者を突っ込んだって、それはそれはタルコフスキーそのものですね。


【写真】天竜浜名湖鉄道/夏

OLYMPUS PEN-FKodak Cine Ektar Lens 25mm f/1.4


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by kugayama2005 | 2018-08-22 00:01 | 2018日記 | Trackback | Comments(2)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005