☆旅の空(根室本線)

今頃は深く雪に埋もれているだろう。1両だけの根室本線から。
このときふと吉田一穂の詩を思い出した。

あゝ麗はしいデスタンス、
つねに遠のいてゆく風景
悲しみの彼方、?への、
捜り打つ夜半のピアニツシモ。

?のところが思い出せなかった。後で調べたら「母」だった。「海の聖母」という詩集であるが、本人はそんなめめしい題は嫌だったようだ。一穂は、積丹半島に父を、函館に母を見ているのだ。一度じっくり調べたいものだ。積丹半島の自然にふれることなく一穂を語ることなかれ、と言う人もいる。

雪といえば、ボクの好きなライブカメラ=鳥海山細密映像(鳥海山がくっきり見えたとき感動。雪深い冬から早春の雪解け。田植え、夏の盛り、稲刈りなど一年楽しめます。)
http://cgi30.plala.or.jp/~live/nemuoka/is.pl


☆旅の空(根室本線)_e0022344_8135665.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-22 08:14 | ■イメージ保管庫 | Trackback | Comments(0)
このソラリスはボクの一番好きなタルコフスキー映画であって、かつタルコフスキーが一番嫌いらしい自分の映画と言うべきか。妻を演じるナタリア・ボンダルチュクの父は、あの巨編「戦争と平和」を撮ったセルゲイ・ボンダルチュク監督であり、後にカンヌ映画祭などでタルコフスキーを攻撃する側となる。

当初、女優の役(妻ハリー)はスウェーデンのベルイマンの映画に出ているビビ・アンデションを想定していたのだが、外国人ゆえうまくゆかず曲折のうえナタリア・ボンダルチェクに決まった。タルコフスキーは満足していたはずだが、後になると批判的に“演技過剰”と書いている。でもボクはナタリアが好きだ。彼女なしにはこの映画は成立しない。

タルコフスキーはこの映画より次に撮るべき「白い日」について、日記に熱心に書き込んでいる。「白い日」は改題されて「鏡」となった。「惑星ソラリス」には「ソラリスの星のもとで」という先行するSF小説の原作があるわけで、タルコフスキーとしてはおもしろくなかったのだろう。

<ブログ内リンク http://kugayama05.exblog.jp/d2005-07-25

「惑星ソラリス」<LD>(タルコフスキー15)_e0022344_2184571.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-21 02:18 | ■映画の楽しみ | Trackback(1) | Comments(0)
タルコフスキーにとって、母と妻は別離の対象である。空間に浮遊する男と女は性愛の一瞬。少年はひとり、過去の時間にピンでさし止められた影絵のように。そしてそれらのなかにめぐっているのは、火と水。それこそロシアの原型なのだろう、きっと。

タルコフスキーにとってのリアルな家庭とは何だったのだろう。夫人ラリッサが87年、インタビューに答えている。「彼はソビエトで17年間仕事がありませんでした。17ヶ月じゃありませんよ。その間、私がずっと家計をささえてきたのです。多くを語りたくありません・・・その日を生きていくことさえ難しかったのです。」

その後出国したタルコフスキーを待っていたのは、健康保険なしで受ける巨額の癌治療費だった。詩人の父もさしたる収入が無く、2代にわたってロシア的自由人として生きたといえよう。戦争中たべものに困り、タルコフスキーの母が装飾品を売りに農家を訪ねていく場面が「鏡」にある。その農家の婦人を彼の妻が演じている。

LDのジャケットに採用されているおそろしげな母の顔(昨日掲載)は、思い直して品物を売るのをやめて帰ろうとすると、農婦に“鶏の首をはねてほしい”と強要される場面。映画では、母と妻を同じ女優が演じ、その母・妻を現に妻である女優の農婦が追い詰めるという・・・。

「鏡2」<LD>(タルコフスキー14)_e0022344_294499.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-20 02:09 | ■映画の楽しみ | Trackback | Comments(0)
「鏡」は、母と家と、そして父の不在の映画である。母は妻ともイメージを共有する。家が失われる前兆として、納屋が焼け落ちる。納屋が焼け落ちた年に、詩人の父が家を出て、家族は見捨てられる。・・・タルコフスキーの全容を複雑に押し込めた映画。

(ところで毎日画像をアップするものだから無料の容量を超えそう。別のサイトに読み込みに行くようにしたほうがいいのだろうか・・・ぶつぶつ独り言)

「鏡」<LD>(タルコフスキー13)_e0022344_6492370.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-19 06:49 | ■映画の楽しみ | Trackback | Comments(2)
ボクがこの映画で気に入っているところは、ナットに白布をくくりつけて投げるところだ。なぜそうするかというと、“ゾーン”のなかの安全な経路を発見するためだ。同行者はついには呆れ、怒り出すが、これしか方法はない。どうでしょうか、われわれも結構そんな不確定な根拠で、この生を生きているんじゃないでしょうか。どこかで思いっきり白布ナットを投げてみたいものだ。

「ストーカー(密猟者)2」<LD>(タルコフスキー12)_e0022344_9363128.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-18 09:36 | ■映画の楽しみ | Trackback | Comments(3)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005