「日本の木」(昨日アップしたLDのジャケット参照http://kugayama05.exblog.jp/d2005-12-06)についてである。これはボクの推論だけど、タルコフスキーが「日本の木」のイメージを獲得したのは、チャップリンの「ライム・ライト」からではないだろうか。タルコフスキーは、映画を10本選ぶという試みの際、「街の灯」を入れたというから、当然「ライム・ライト」も評価して見ているはずだ。チャップリンは「ライム・ライト」のなかで、「日本の木」というギャグを入れている。

ではチャップリンの「日本の木」はいかにしてうまれたのか。チャップリン訪日の際、ホテルの部屋に飾られていた松の盆栽をいたく気に入り、もって帰ってしまったというエピソードもある。ただ、盆栽を表現したというだけではギャグにならない。その背景に、広重の東海道五十三次的(特に「大磯」「平塚」 など)ジャポニズムの記憶が映画の観客にあることを計算に入れた、しゃれた演技なのである。タルコフスキーも当然、広重を見ているとボクは確信する。

↓「日本の木」を顔と手で・・・そして肩で;;演じるチャップリン
「サクリファイス」<日本の木>(タルコフスキー3)_e0022344_3555913.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-07 03:56 | ■映画の楽しみ | Trackback | Comments(0)
ボクはタルコフスキーの映画はほとんど制作順に見てきたけれど、今回の書き物は時間軸を遡っていきたい。1986年、タルコフスキー最期の年。「サクリファイス」は上映されたが、彼は体中の激しい痛みのためパリでうごけなくなる。「何をする力も残っていないーそれが問題だ(12/15最後の日記)」

・・・“坊や”と“彼”は、海岸に根のない枯れ木を植える。彼らはそれを「日本の木」と呼び、毎日水をやれば蘇るという。ロケ地はスウェーデンの島、すなわち対岸はロシアであり、タルコフスキーは最愛の息子を残して亡命している。映画は息子に捧げられた。
<ブログ内リンクhttp://kugayama05.exblog.jp/d2005-12-04

「サクリファイス」<LD>(タルコフスキー2)_e0022344_8113778.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-06 02:38 | ■映画の楽しみ | Trackback | Comments(0)
じつはこのCD聴くために雨の午後を待っていたのですが、想像を超えてうまく今日の東京はRainy Afternoonになりました。ピアノの弾き語りになっているのも数曲あって、彼女の独特のヴォーカルを聴くことができます。金曜日には霧の(foggyというよりmistyと言った方がかっこいいみたい)Valerie Joyce、日曜の午後はRainyな由香利というところか。東京の雨もなかなかぜいたくです。
赤坂由香利HP:<http://www5e.biglobe.ne.jp/~yukapy/

赤坂由香利「Rainy Afternoon」_e0022344_051938.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-05 00:05 | ♪音楽の楽しみ(アジア太平洋) | Trackback | Comments(0)
もうあまり新しい映画は見ないだろうから、記憶を頼って過去の映画について書きたい。タルコフスキーはいつかまとめておかなければいけない、と思い続けてきたけれど、今その時が来たようだ。とはいえ、まとめるなどということはできない。辿るだけだ。

1932.4.4 ヴォルガ河畔ザヴラジェに生まれる
1960「ローラとバイオリン」
1962「僕の村は戦場だった」
1967「アンドレイ・ルブリョフ」
1972「惑星ソラリス」
1975「鏡」
1979「ストーカー」(“密猟者”)
1983「ノスタルジア」
1986「サクリファイス」(“犠牲”)
1986.12.28 パリで死す

こう書いてみると、タルコフスキーの作品はいきなり「アンドレイ・ルブリョフ」で頂点に達し、その後20年かけて「アンドレイ・ルブリョフ」のテーマを強い使命感によって砕きなおしたようにも見える。マーニンという数学者が「アンドレイ・ルブリョフ」をめぐる討論の中で次のように発言し、タルコフスキーは励まされている。「いろいろな事柄の真の基準がどこにあるかを感じさせてくれる芸術家がいます。彼らは一生のあいだ、この荷を背負い続けてくれる。われわれはそのことで、彼らに感謝しなければなりません」

タルコフスキーの映画は、「いったいなぜ映画を観ている3時間もの間、苦痛を強いられなければならないのか」「どうしてあなたは汚い塀ばかり撮るんですか」などと不評であるばかりでなく、比喩ではあるがきびしい国家批判をふくんでいるためソ連では黙殺されていた(その割には驚くべき巨額の撮影経費を国家が支出しているが)。亡命後、2作のみを残して客死。その後さらに忘れられた人になりつつある。

ボクが何か質問する機会があったら、きっとくだらない質問をして日本びいきの監督を失望させただろう。「なぜあなたの映画はいつも部屋の中に雨が降るんですか?!」・・・「どうして汚い塀ばかり撮るんですか」の質問に彼はこう答えている。「日本にはサビということばがある」
<ブログ内リンク:http://kugayama05.exblog.jp/d2005-07-25


「タルコフスキー日記」(アンドレイ・タルコフスキー1)_e0022344_0385691.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-04 00:39 | ■映画の楽しみ | Trackback | Comments(0)
先日、NHKのテレビ番組に内藤洋子が出ていたけど、その天然ぶりは圧巻だった。子どもの頃、給食当番をしていた時モデルにスカウトされたときの話:

内藤「当時、エースコックの即席ラーメンが流行っていましてね・・・」
アナ(企業名が出てしまったのであせる)「はい。“食品メーカー”ですね」
内藤「そうです、そのエースコックの、♪ブタブタ子ブタ(と歌い出してしまう)というのね」
アナ(更にあせる)「“食品メーカー”のですね!」
内藤「そうです、その食品メーカーのエースコックのブタと同じような格好して給食当番ですからね、そのとき“お嬢さんこっちへきて写真を撮らせてくれませんか”って言われたんです」

1950年生まれなのに見た目はむかしのまま、大物である。

内藤洋子「白馬のルンナ」_e0022344_065425.jpg
# by kugayama2005 | 2005-12-03 00:06 | ♪音楽の楽しみ(アジア太平洋) | Trackback | Comments(6)

君の名前の意味を聞いたら “山のきつね” まき毛はいかんせん狐色 瞳は草の緑をうつす好奇心。


by kugayama2005